8月11日 〜紅色の花の町〜
本をもって何も決めずに来た電車に乗る、こんな事は割りとやりがちな小マメ太郎です。
この日最初の電車は下り方面、線を乗り換えまた乗り換え…。
川越を越えて、彼岸花で有名な巾着田のある「高麗川」にやってきました。
駅より歩いて30分、紅色の幟がはためくお店。
「百日紅」

男の隠れ家でも紹介されていましたが、同じ県内でもちょっとした小旅行にきた気分に…。
金曜日にしか提供しない粗挽き蕎麦のエピソードを読んでとっても気になっていたのです。
玄関をあがると畳敷きの部屋。

今の時期にぴったりのパッチワークはスイカ。
腰を落ち着けると揚げ蕎麦と蕎麦茶をもってきてくれました。

喉が渇いていたので自家製のシソジュースを。

イノシシ年らしく楊枝たても可愛らしいです。後で聞いたのですが奥様の自作だそう。
各テーブルにあるイノシシはそれぞれ表情が違います。

センス良く飾られた蕎麦猪口たち。

金曜限定は十割の粗挽きですが、粗挽きも提供しているとのことでしたがこの日は売り切れ。
お品書きとは別に季節のお蕎麦に惹かれて涼味蕎麦を頂くことにしました。
蕎麦猪口が別に付いているのは蕎麦湯を楽しむため。
こんな気配りがとても嬉しくなってしまいます。

じゅんさい、みょうが、シソ、クコの実と彩りも鮮やかなぶっかけ蕎麦。
良く混ぜてどうぞ、というのでシソを先に散らしてから思いっきり混ぜて…。

じゅんさいのとろみとまろやかな汁が細切りの蕎麦にそれは良く絡みます。

爽やかな香りをかもし出すシソに決して負けない、きりっと冷水で締められた蕎麦は
暑さでほてった体にぴったりです。
クコの実のほんのりとした甘さに清涼感ある茗荷と、調和のとれた涼味蕎麦。
来る途中でお店に電話をしたので、「どんな人が来るのか気になっていました(笑)」と
いうご主人とお話しすることが出来ました。
粗挽きが切れてしまって蕎麦はないのですが、と作ってくださったのは
なんと粗挽きの蕎麦掻きです。

掻いてから蕎麦湯に一度入れるという蕎麦掻きは
滑らかに掻かれてそのまま食べるとその甘みがダイレクトに味わえます。

蕎麦掻きが出来上がるまで時間がかかりますから、と貸してくださった本。
さらに…
「ぜひシンプルな蕎麦も食べていってください」とせいろまで(驚愕)

水切りの小気味良い音がして、暫くすると丁寧に切りそろえられた細切りのせいろが
高台のある笊に盛られて登場です。
「うちは量が多いから残してもかまいませんよ」と言われましたが小マメ太郎にはまったくの杞憂でした。
喉越しのバツグンの蕎麦には、濃い蕎麦汁をほんの少し浸して頂きます。

すすりこむと同時にとやさしく香るせいろ。

「皆さんには濃すぎる、と言われますね」
蕎麦には少し浸けて、とろみのついた蕎麦湯でのばして最後まで蕎麦を楽しんでいただければ、とご主人の言葉。

小マメ太郎もしっかり堪能しました。

ご意見・ご感想をどうぞ、とお品書きと一緒に置かれたノートがありました。
パラパラと捲ると訪れたお客さんの「美味しかった、また来ます」の文字が書き連ねてあります。
拙い文章ながら、小マメも書かせて貰いました。
その中にはあの本の著者の感想も…。
蕎麦湯で一息つきながらすっかり話し込んでしまいました。
お話を聞けば聞くほど蕎麦の世界は狭い…と感じました。
「蕎麦の人を繋ぐ縁というのは本当に不思議です。
打つのも勿論ですが、だから蕎麦は面白いし大事にしたいしですね」

金曜日にしか粗挽き十割を打たない拘りはお客さんを大切にする
ご主人と奥様の心の表れなのでしょう。
私も蕎麦を通して知り合った方々との出会いを大事にしたいと心から同じように思います。
長居をしてしまい、お二人に見送られて高麗川の駅まで戻ります。


お店の幟と同じ色の紅日花が通り沿いに咲いていました。
